川島織物文化館について
長い歴史と共に歩んできた
「織物文化」の
継承と振興を
通じて社会に貢献します。
館長あいさつ
人類の織物の歴史は、新石器時代より始まっています。その時代の遺跡から土器・石器製の紡錘車が発見されており、これは紡織が新石器時代から行われていたことを物語っています。日本では3世紀頃には養蚕が行われ、絹織物が生産されていました。
その後、人は糸を紡ぎ、染色し、織り綴ることにより、日々の暮らしをより良くし、より豊かにすることを求め、染織の技術を高め、より美しいより価値のある織物を生み出すために、たえまない努力を積み重ね、織物文化を発展させてきました。
私達、川島織物セルコンの仕事は、この人類の歴史的・伝統的・文化的遺産を、正しく継承しつつ、その時代の要請に応えて常に先端技術を加え、より新しく・より美しい織物を創造し、古い伝統を新しい伝統につくりかえ、築き上げ、後世に伝えていくことだと考えています。
この理念を具現化するために、京都は洛北の地に織物の技術と文化のメッカ「市原事業所」を築き上げました。ここには、研究開発部門、伝統技術の手織り工場、近代的な機械織の工場という技術の場に加え、教育・文化の場としての川島テキスタイルスクールと歴史的な染織遺産を所蔵する国内で最も古い企業博物館「川島織物文化館」を再館し、技術と文化が渾然一体として存在する、世界でもめずらしい施設です。
現在の所蔵品は、蒐集した染織品約8万点、内外の古書約2万点、創業以来製作してきた試織裂、原画類が約6万点、合わせて16万点にものぼります。
当館はこれら多くの史資料を活かし、工場や学校と一体となって、織物研究をリードする博物館になっていければと考えています。
長い歴史と共に歩んできた「織物」の素晴しさを後世に伝えるべく、活動の基軸である史資料の研究や公開をさらに進め、これからも織物文化の継承と振興を通じて社会に貢献できるよう努めてまいります。
皆様のご来館を心よりお待ち申し上げております。
川島織物文化館について
川島織物文化館は1889年(明治22年)に二代川島甚兵衞が京都・三条高倉に建てた三階建ての洋館「織物参考館」に始まります。翌年1月には九鬼隆一帝国博物館総長より「川島織物博物假館」と命名頂いた国内最古の企業博物館です。
「織物参考館」は初代・二代川島甚兵衞がモノづくりを研究するために世界中から蒐集した「上代裂」「名物裂」「各種外国裂」「装束」「衣裳」など織物文化の歴史を物語る染織品、古書類を収蔵する博物館施設を1~2階に備え、3階には明治期に普及し始めた洋館の室内装飾を提案するため、川島独自の意匠を最新の織技術で装飾した統一感のある室内空間を創出し、国内初の日本式室内装飾ショールームを設けていました。
織物参考館は、染織の魅力をお客様に余すところ無く伝える事の出来る大変画期的な建物でした。その中に収められていたこれらのコレクションは、現在その全てを川島織物文化館で大切に保存・保管しており、当社が製作した精緻で優美な美術工芸織物の原画類・試織など、合わせて約16万点に及びます。また、それらは各種機関との共同研究などにも役立てられています。
館内では、これらの史資料や当社が手がけてきた歴史的プロジェクトにまつわる資料やエピソードを通じて、織物の魅力や当社のこだわりのモノづくりを紹介しています。