展示情報

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現在の展示

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  • 研究を進めながら展示を行うため、展示替えのスケジュールは未定です。
 
 

ゆめ織るEXPO — 万博と織物の意外なつながり — 
 Prologue:万博のはじまり

世界で最初に開催された万国博覧会は、1851年のロンドン万国博覧会です。日本政府が初めて出展したのは、1873年のウィーン万博でした。そして川島織物セルコンは、1889年の第4回パリ万博で初めての出展を果たしています。
プロローグでは、川島織物文化館に残る明治期の万博に関する資料を紹介します。

主な出展
  • パリ万国博覧会 全景図 ポスター 1889(明治22)年
  • リエージュ万国博覧会 日本館 正門 構想図 1902(明治35)年頃
  • PENROSE'S PICTORIAL ANNUAL Vol.7」1901(明治34)年
 

ゆめ織るEXPO Episode1:Expo1893 Chicago
 “推し活”されたい! 二代川島甚兵衞と2つの織物

シカゴ万博に向け、二代甚兵衞は開幕までに2度渡米し、アメリカのトレンドを肌で感じ取るなど、万全の準備を整えました。そして 約4m×7mという綴織の大型作品「日光祭礼」を出展します。彼がこれほどまでに奮闘した理由は何だったのでしょうか? 当時の日本には、日本の工芸品を美術品として世界に認めさせるという大きな目標があり、そのためには圧倒的な評価を得る作品が不可欠でした。
甚兵衞もその使命を担い、現在で言う”推し” になることが必要だったのです。

主な出展
  • 綴織壁掛「日光祭礼」原画 田村宗立 筆
  • 綴織壁掛「日光祭礼」試織
  • 綴織壁掛「日光祭礼」ボーダー(縁まわし)部 試織

ゆめ織るEXPO Episode2:Expo 1900 Paris 
パリはいつもおしゃれだった アール・ヌーヴォー全盛期の花の都での経験

1893年のシカゴ万博出品時に、日本と海外では好みやニーズが異なる事を強く感じた二代川島甚兵衞。続く1900年のパリ万博では、海外の好みやニーズを意識しつつ、和・洋2つのテイストの作品を出品します。
ひとつは、武具の虫干しをする様を描いた日本画をデザインソースにした“和”の「武具曝涼」。緻密な綴織で表現した綴織壁掛です。もう一点は、油絵で描かれた洋犬を綴織で織り上げ額装した“洋”の「群犬」。双方とも技術や表現は評価されたものの、アール・ヌーヴォー全盛期のフランスでは、販売先を探すのに、大変な苦労を強いられました。

主な出展
  • 綴織壁掛「武具曝涼」原画 守住勇魚 筆(1896年)
  • 綴織額「群犬」試織
  • パリ万国博覧会 図録

ゆめ織るEXPO Episode3:Expo 1904 St. Louis
二代甚兵衞 VS 工場長 高木 二人の織物愛の行方は?

誰よりも織物を愛する社長の二代川島甚兵衞と、パリ万博(1900)で苦労を強いられた工場長の高木由三郎。セントルイス万博ではこの二人のバトルが勃発します。
織物の新しい使い方を考えていた甚兵衞は、日本式室内装飾として「若冲の間」「網代の間」の二つの空間を出品。特に伊藤若冲の世界感でトータルコーディネートされた「若冲の間」は好評を博し、名誉大賞などを受賞しました。一方、パリで西洋の流行を目の当たりにした高木は、当時人気の高かった戦の様子を、流行色の紫を意識して織り上げた綴織壁掛「蒙古襲来」を制作。こちらも好評を博し、海外の博物館へ収蔵されました。ただ、甚兵衞の意に沿わない作品を制作した高木は、社長の逆鱗に触れたとの記録も・・・。

主な出展
  • 綴織壁掛「紫陽花双鶏」(伊藤若冲「動植綵絵」より)
  • 七宝釘隠し「菊花」試作(若冲の間)
  • 蒔絵室内装飾部材「菊唐草」試作(若冲の間)

ゆめ織るEXPO Episode4:Expo 1905 Liege
やっぱり花鳥画 日本スタイルの極み 二代甚兵衞の集大成「百花百鳥の間」

日本の四季の魅力を花鳥画の雅やかな構成で織物に表現し、海外へ広めたいと考えていた二代川島甚兵衞。異文化に迎合せず、日本独自の美を活かしながら海外のニーズと調和させるため、さまざまな挑戦を続けました。そして試行錯誤の末に リエージュ万博では、自身が理想とする花鳥画の構成で日本の四季を表現した「百花百鳥の間」を出品。織物の原画を日本画家の菊池芳文に依頼し、百種の草花が壁面全体に、天井と壁面には百種の鳥を配した豪華絢爛な空間です。日本の四季が生み出す美を、世界に伝えたい一心で作り上げた二代甚兵衞渾身の作を、原画や模型で紹介します。
最後は『やっぱり花鳥画』だったのです。

主な出展
  • 綴織壁飾 原画「百花孔雀」(百花百鳥の間) 菊池芳文 1903(明治36)年
  • 「百花百鳥の間」透視図(完成予想図) 菊池芳文 1903(明治36)年
  • 綴織壁飾 織下絵「百花孔雀」(百花百鳥の間) 菊池芳文・山田耕雲他 1903(明治36)年
  • 天井張地「群鳥」の内シメ・イカル(刺繍試刺) 1904(明治37)年

ゆめ織るEXPO 番外編:エレガントなお買い物
 ― 明治の逸品と輸出用ファブリック ―

万博と聞くと思い浮かべるのは、大きなパビリオン会場に近未来を予想させる展示ですが、ちょっとステキなグッズや心惹かれる逸品があれば、欲しいなぁという思いも沸いてくるもの。
ショッピングが楽しいのは明治の頃も同じで、ギフトやおみやげにも出来そうなコジャレた小物や一般販売される商品がたくさん用意されていました。川島織物も万博やその他の展示イベントへ向けて、皿敷(コースター)、ポーチや財布など、多彩なアイテムを手がけ、また、輸出事業の拡大へ向けて、輸出用のファブリックも生産しました。
ゆめ織るEXPO展の番外編として、明治期に制作した輸出用のアイテムを紹介します。日本の美がどのように世界に届けられたのか、楽しんでご覧ください。

主な出展
  • 紋織窓掛地「草花文様」 (原画:神坂雪佳) 1904(明治37)年
  • 綴織窓掛 織下絵「光琳草花」 (原画:神坂雪佳)明治中期
  • 綴織見送(壁掛)原画「木蓮に孔雀」 守住勇魚筆 1897(明治30)年頃
  • 装飾用裂地見本 明治中後期
 
     

当館は事前予約制です。
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