糸状にした貝殻を緯糸として織り込んだ織物
貝殻の内側など光沢のある層を薄く切り出したものを、漆地などに(嵌め)はめ込む「螺鈿工芸」の技術を織物に応用したもので、当社が開発した技術です。光線や見る角度によって光沢や発色が異なり、とても華やかな印象になるのが特徴です。
作り方は、金箔やプラチナ箔を貼った和紙の上に、文様の形に薄く切った0.4ミリの貝を貼り、織りたい模様の「螺鈿箔」を作ります。その「螺鈿箔」を細く裁断して糸状にし、それを緯糸として織り込みます。文様が乱れないように織りこむのも高度な技術を要し、熟練の織技術者が作業にあたります。
デザイン、箔の制作、製織に広範囲で高度な技術を要する作業が多く、西陣でも限られた織工房のみがその技術を有しており、製作しているところは、数か所しかありません。