華やかさをプラスして逸品に仕上げる伝統的な刺繍
刺繍は、糸と針さえあれば布地を彩ることが出来るため、世界各地で古くから発展してきました。日本での刺繍の起源も古く、6-7世紀頃には製作されていたと言われています。当時の日本における刺繍は、「繍仏(しゅうぶつ)」といわれる仏画に刺繍を施す儀礼的なものとして使用され、とても貴重な品でした。
9世紀ごろになると、貴族の衣装に刺繍を施すようになり、都のあった京都で刺繍の技術が発展していきました。それ以降、身分の高い者から庶民へ徐々に刺繍の技術は広まりました。
17世紀には、裕福な庶民の財力を示すかのように、衣装全体に刺繍を施す図柄が日本で流行し、刺繍文化の最盛期とも言えるような時代を迎えました。
現在では、今の生活様式にあわせた和装小物や帯、インテリア用品などで、伝統的な刺繍が受け継がれています。