絵画の様に美しい織物
絵画の様な表現力に優れた織物で、文様を織る方法としては最古の手法「綴織」が用いられています。
「綴織」のルーツは紀元前1300年代頃の古代エジプトで出土している「コプト織」と呼ばれる織物です。
また、中国の漢代、南米ペルーのプレ・インカ(チャンカイ文化)などでも「綴織」が出土しており、世界各地で織られていたことがうかがえます。
「綴織」は、経糸の下に図案(織下絵)をおき、経糸の隙間から見える図案の形にしたがって、緯糸で絵を描くように織り込んでいきます。
手作業で織り込むため、色数に制限がなく、柄のグラデーションを色の段差を際限まで減らし、美しく表現することができます。
当社と「綴織」の歴史は、19世紀までさかのぼります。
二代川島甚兵衛がヨーロッパを訪れそこで目にしたゴブラン織(「綴織の一種」)の大きさと表現に感動し、ゴブラン織に並ぶ織物を作ろうと決心したことから当社独自の「綴織」の開発に繋がりました。彼は、ゴブラン織を改良に改良を重ね、割杢(わりもく)という独自のグラデーション法を考案・駆使し、「綴織の甚兵衛」と呼ばれるまでになりました。
彼が手掛けた壁面装飾用の「綴織」は、18世紀後半以降の海外の博覧会等で高い評価を得ました。