漆芸作家 池田晃将氏と螺鈿帯を製作しました
2021/11/19 ~ 池田晃将展(京都・新風館)
漆・螺鈿・蒔絵の工芸技法による作品を制作されている工藝美術家の池田晃将氏。昭和53年に業界初の螺鈿帯を発表した川島織物セルコン。
双方のコラボレーションで、夜光螺鈿帯「百千虚空」、夜光金彩螺鈿帯「累六界」が完成、2021年11月19日(金)~ 京都で開催される「池田晃将展」で公開されます。
池田氏は、最新技術と手仕事を用い「テクノロジーも使いつつ、人間の手業も使いつつ、誰にもつくれないものをつくる」ことに取り組まれています。作品には数ミリの小さな数字や六角形が螺鈿細工で美しく並んでいます。
今回、当社が取り組んだのが、池田氏の切り出された貝(夜光貝・白蝶貝)を帯にするということ。螺鈿の帯は数えきれないほど制作してきましたが、これほど細かいものをずれやゆがみなく織り込むという事は初めての経験で、様々な工夫が必要でした。
まず、貝がとても薄いため、貝が透けないように裏に漆や金箔を施しました。また、螺鈿帯は螺鈿を施した箔(薄い紙のようなもの)を糸状(上写真右)にして織り込むため、糸と糸の間にすき間が生じ、織上がりの柄が若干縦に長くなります。今回製作した螺鈿帯は柄がとても繊細であるため、伸縮率の計算と試作を通常以上に繰り返して、完成させました。
帯メーカーとしても、初めて見る帯に仕上がりました。是非ご覧ください。
池田晃将展 概要
日時 | 2021年11月19日(金)~ 23日(火) 11:00~20:00 |
場所 | 新風館 1F POPUP SPACE SPOT・FLAT 〒604-8172 京都市中京区烏丸通姉小路下ル場之町586-2 |
入場料 | 無料 |
その他 | 池田晃将展 公式HP 池田晃将 公式HP |
※ 螺鈿(らでん)
主に漆器や帯などの伝統工芸に用いられる装飾技法のひとつ。貝類を彫刻して漆地や木地などにはめこむ技法、また、この手法を用いて製作された工芸品のこと。