帯メーカーが解説!きもの文化検定 3級向け 西陣織の基礎知識
- OBI
川島織物セルコン製の帯には、三本線と軍配マークを織り込んでいます。
私たちが心を込めて織りましたという、品質の証・信頼の証として。
私たちが、創業まもないころより150年以上のあいだ作り続けているものに、きものの「帯」があります。
帯に適した良質な素材を使い、美しいデザインを描き、丁寧に織り上げてきました。織り方にもこだわり、当時の伝統的な技法も継承しながら、正確に美しく織れるよう、織機の改良や織り方の工夫も続けています 。
このように心をこめて織り上げ、世に送り出した帯を、「買ってよかったわ」と喜んでくださったというお話を伺うと、とても嬉しくなります。また、その帯をお嬢様へ譲られ、さらにお孫様へと親子三代に亘って受け継がれるというようなこともあり、お孫様から「これは祖母から受け継いだ帯なんです」と丁寧に使われた帯を見せていただくなどすると、本当に帯屋冥利に尽きます。
もし、「そういえば、おばあちゃんからもらった帯があったなぁ・・・、川島織物製とかなんとか言ってたなぁ・・・」なんてお話があったら、垂(帯の端、締めた時に背中側に来る方の端)を見てみてください。三本の線が織り込まれていたら川島織物の帯です。
川島織物セルコンの帯には三本線と軍配(ぐんばい)マークが入っています。
軍配とは、かつて武将が戦の指揮に用いたうちわ形の道具です。当社では二代川島甚兵衞が、自らが織物の祖と仰ぐ聖徳太子ゆかりの軍配扇を京都の広隆寺で目にし、その図柄を商標に採用しました。その後簡素化したものを、川島織物製の証として「川」の字をイメージした三本線と共に帯に織り込んでいます。
軍配マークは、帯を仕立てると見えなくなってしまうのですが、私たちが心を込めて作りましたという誇りと品質の証として、織り込み続けています。