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夏休みの自由研究に! 100均で揃う材料で簡単ハンカチ染めに挑戦 染色の仕組みを学ぼう

夏休みの自由研究に! 100均で揃う材料で簡単ハンカチ染めに挑戦 染色の仕組みを学ぼう

もうすぐ待ちに待った夏休み! 子どもたちにとって楽しみでいっぱいのシーズンがやってきます。
今回は、夏休みの大きな宿題「自由研究」のテーマを考えている皆さんへ 織物屋からのアイデア提案第3弾として、100円ショップで手に入る材料を使って簡単にできる染色体験を紹介します。

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夏休みの自由研究 ハンカチを好きな色に染めてみよう

自由研究は、自分でテーマを決めて自由に取り組むことができる課題です。お子さん自らが問題に取り組む、とても良い成長の機会になります。しかし、テーマを決めることはなかなか難しいもの・・・。
そこで今回は、自由研究のアイデアの一つとして、糸の染色も行っている川島織物セルコンから、アクリル絵の具を使って簡単にできる染色体験を紹介します。

材料は、家にあるもの、100円ショップでそろいます

今回紹介する染色体験で使用するのは、ガーゼハンカチやアクリル絵の具。その他の道具も家にあるものや100円ショップで簡単にそろえることができます。また、制作時間も30分~1時間(乾燥時間を除く)と半日頑張ればできます。

染色体験の進め方

今回は、染織技法の基本として絞り染めの一例を紹介します。絞り染めは、布の一部をひもや糸などで絞り、染料が染み込まないように圧力をかけることで模様を出す染め方です。慣れてきたら、ハンカチの折り方を変えてみたり、ひもの巻き方を変えてみたりするなど、自分なりの染め方をしても面白いですよ。

用意するもの

  1. ガーゼハンカチ
  2. アクリル絵の具(赤、青、黄) ※水彩絵の具と間違えないように注意してください。
  3. バケツ(桶や食品トレーなども可)
  4. プラスチックコップ(紙コップも可)
  5. ビニールひも
  6. テープ(マスキングテープやビニールテープなども可)
  7. 割りばし(筆なども可。絵の具を混ぜるときに使います)
  8. はさみ
  9. ゴム手袋

進め方

色の準備

まずは、アクリル絵の具を水で溶かして、色をつける準備をしましょう。
事前に、プラスチックコップに赤・青・黄の各色を用意しておくと、染めたい色を作るときに便利です。

① 赤・青・黄のアクリル絵の具をプラスチックコップに適量(500円玉大)入れる。
※アクリル絵の具は洋服などにつくと落ちにくいので、注意して行ってください。

② 水を少しずつ入れ、絵の具が残らないように、それぞれ約100ccの水にしっかりと溶かす。
※少量の水に溶かして少し混ぜた後、5分ほど置いておくと溶けやすくなります。この間に、次に紹介するガーゼハンカチの準備をしておくと、スムーズに進めることができます。

ガーゼハンカチの準備

次に、ガーゼハンカチを染めるための準備をします。

① ガーゼハンカチを四つ折りし、写真のように三角形になるように、さらに2回折る。

② ガーゼハンカチの両端が2~3㎝はみ出るように、ビニールひもを巻いていく。
※ビニールひもを引っ張りながら、すき間がないようにきつく巻いてください。巻き方がゆるいと絵の具が染み込み、きれいに模様ができなくなります。

③ 巻き終わったら、テープでとめる。

ガーゼハンカチの染め方

では、いよいよ染め方を紹介します。
今回は、赤色と黄色を混ぜたオレンジ色で染めていきますが、お好きな色でチャレンジしてみてください。

① 赤色と黄色を1:2ほどの割合でバケツに入れて、よく混ぜる。

② ガーゼハンカチを、絵の具の入ったバケツに10秒ほどまんべんなく浸ける。
※手の汚れが気になる場合は、ゴム手袋をつけて行ってください。
※浸けすぎると絵の具がにじみ、模様ができなくなります

③ ガーゼハンカチを絵の具の中から取り出し、よく絞る。

④ テープをはがし、巻きつけたビニールひもを解く。

⑤ 物干し竿などにかけ、乾かす。
※約3時間で乾きます。

⑥ 完成!

さまざまな方法でハンカチを染めてみました!

今回は、基本となる絞り染めの一例を紹介しましたが、工夫次第で、自分だけのオリジナルのハンカチを作ることができます。
材料や道具は、先ほどの絞り染めと同じもので作りました。2色の絵の具で半分ずつハンカチを染めたり、ビニールひもの代わりに割りばしや定規でハンカチを挟んだりと、絞り方や染め方を自由に変えて楽しく制作しました。
小学生の自由研究として自分自身のオリジナル作品を作ることはもちろん、親子でのおうち時間の楽しみ方としても、おすすめです。
※ハンカチを洗う場合は、やさしく手洗いしてください。

染色の豆知識

「色の三原色」とは

赤、青、黄、オレンジ、黄緑、紫、黒など・・・、私たちの生活のまわりにはたくさんの色がありますが、実は、「青緑(シアン)」、「赤紫(マゼンタ)」、「黄(イエロー)」の3色をつかうことで、基本的にはすべての色を作ることができます。これを「色の三原色」といいます。この3色は、色を混ぜ合わせていくにつれて色が暗くなり、この3色を混ぜ合わせると黒色になります。さまざまな絵の具を混ぜ合わせていくと、どんどん暗い色になっていきますよね。
ところで、赤、青、黄の3色も「三原色」としてよく紹介されますが、正確には「色の三原色」とは違います。この3色の絵の具を混ぜ合わせてみると、黒色にはならないことがわかると思います。しかし、この3色でもさまざまな色を作ることができますので、混ぜる絵の具の量の割合を変えてみるなど、ぜひ自分なりに色々試してみてください。
織物を織るときに使う糸を染めるときも、絵の具を混ぜ合わせるように染料を組み合わせて染める色を決めます。実際の糸の染色では、「色の三原色」ではなく、基本的には赤、青、黄の3色を使い、それぞれの染料の量や割合を調整して、目指す色に近づけていきます。

「染料」と「顔料」の違い

「色の三原色」について紹介しましたが、色を付ける着色剤には、「染料」と「顔料」があります。どちらも色を付けるものですが、この2つにはどのような違いがあるのでしょうか。

染料

「染料」とは、色を付けるものの表面上だけでなく、繊維の中にまで浸透して繊維と化学結合することで色が付くものです。例えば、布に色を付ける場合、布の表面に色を塗るのではなく、布の中に色を染み込ませて発色させる、というイメージです。
染料は粉末状で、溶剤といわれる、水や油などに溶かして使用します。溶剤に完全に溶けるため、複数の色を混ぜ合わせて比較的簡単に新しい色を作ることができます。しかし、光に長い時間当たると色あせてしまったり、摩擦が起こると色落ちや色移りしたりする可能性があります。
ちなみに、マジックペンなどにある「油性」や「水性」とは、溶剤に油を使ったもの(=油性)と水を使ったもの(=水性)です。

顔料

「顔料」は、繊維の中にまで色を染み込ませて着色する染料とは違い、色を付けるものの表面に定着させることで色がつきます。例えば、ペンキや絵の具などです。そのため、実は今回紹介した染色体験では、「顔料」のアクリル絵の具を使って、ガーゼハンカチに色を付けたことになります。
顔料も粉末状ですが、染料とは違い、溶剤には溶けません。顔料は、表面上に色が塗られただけの状態といえますが、耐光性や耐水性に優れています。通常、ペンキやアクリル絵の具には、色を表面に定着させるために、固着剤( 繊維に色を定着させる薬剤 )や樹脂などの定着剤が混ぜてあります。ペンキや絵の具で色を付けた後に、乾いて定着剤が固まることで色落ちや色移りがしにくくなります。



今回は、アクリル絵の具を使ったガーゼハンカチの染色体験を紹介しました。布などのものにどのように色が付けられているのか、体感することができたのではないでしょうか。
ハンカチはもちろん、皆さんが着ている服など、身近なものの素材として使われている糸も、元々は白い糸を染めて色を付けています。 基本の染め方をマスターすることができたら、色々な染め方や色で自由に試してみたり、ガーゼハンカチ以外のものを染めてみたりするなど、自分なりに工夫して実験することも楽しいです。
今年の夏休みは、染色の魅力に触れてみませんか。

染色を楽しく学べる、オンライン工場見学と上質なシルク生地を使った本格的な絞り染め体験に参加してみませんか

最後に、もっと本格的に染色体験をしてみたい方に、川島織物セルコンで開催のオンラインイベントを紹介します。
2024年8月2日(金)に、工場見学と染色体験ワークショップをオンラインで開催します。
今回のイベントのテーマは「染め」。
オンライン工場見学では、熟練した染め技術者による手染めと量産技術である機械染めによって、 さまざまな色に染まっていく様子をご覧いただき、染色の仕組みや歴史を紹介します。
染色体験ワークショップは、実際に工場で使用している染料と希少価値の高い天然素材であるシルクの余り生地を使用して、染色の工程を体験することができる本格的な絞り染め体験です。事前にお届けするキットを用いて、色の三原色による染色の仕組みを楽しく学びながら、シルク生地をお好みの色や模様に染め上げます。染めた生地はインテリアやファッションアイテムとして楽しむことができます。今回紹介した染色体験と合わせて、夏休みの自由研究にもおすすめです。
この機会に、ぜひご参加ください。

イベント概要(完全予約制)

ご参加は完全予約制になります。下記フォームより、お申込みください。
工場見学・ワークショップいずれかのみのご参加も可能です。

プログラム

【日時】      2024年8月2日(金)10:00~12:00
【開催方法】    オンライン(Zoom) ※当日の参加URLは、お申込み後に事務局よりメールでご案内します。
【工場見学】    10:00~11:00/参加費:無料
【ワークショップ】 11:10~12:00/先着9名限定/参加費:3,000円(税込) ※材料費・送料として

申込み方法

【工場見学】    https://forms.office.com/r/DpeFiva4dT
           申込み期限:8月1日(木)15時まで
【ワークショップ】 https://forms.office.com/r/7DRBqM5Jzp
           申込み期限:7月18日(木)まで / 振込み期限:7月24日(水)まで ※先着9名限定

ワークショップ参加者限定 染色用体験キット

申込み後、お振込みが完了した方へ、事前に染色用キットをお届けします。

【費用】       3,000円(税込) ※材料費・送料として
【送付物】 ・当社の染色工場で使用している染料
       ・シルク生地 大(85cm×85cm程度)1枚、小(20cm×20cm程度)2枚
                     ・説明書【送付時期】  7月中旬頃~予定

※体験キットの他に、コンロや流し台、鍋などの必要な備品は、ご自身で準備いただきます。詳細は同封の説明書に記載します。
※ワークショップでは受講されている様子が分かるようカメラ付きのPCや、タブレット、スマートフォンでのご参加を推奨しています。
※イベント詳細は変更する可能性があります。詳しくは、当社ホームページ「新着情報」よりご確認ください。

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