世の中には、事務イスや家庭用のイス、また自動車や航空機、鉄道など移動体空間のシートなど、さまざまなイスがあり、私たちも普段から何気なく使っています。
これらの椅子やシートの多くは、ウレタンフォームや金属バネなどクッション材となるものを、布や皮革でカバーするという形状です。
それらすべての機能を「1枚のファブリック」に置き換えることができる、それがbanexです。適度な弾性を持つため、耐圧分散に優れ、またすわり心地も良いbanexだからこそ可能になりました。
banexならば従来の椅子やシートから、多ければ数キロの軽量化が見込めるほか、ウレタンフォームのような厚みがなく省スペースで軽量になり、通気性もよくなって蒸れにくくなります。さらに、すべての原料をポリエステル系の糸で製作しているので、燃焼時に有毒なガスが発生せず、リサイクル性にも環境にも優れた素材です。
現在banexは、高級事務椅子、鉄道シート、車椅子、介護用品、浴槽補助具などに採用いただいていますが、考え方の全く新しいファブリックなので、実用化のめどが立ってから、製品化までには長い時間がかかりました。お客様のところに出向きプレゼンテーションをしたり、コスト計算、生産工場との調整など、banexを製品として世に送り出すためには、多岐にわたる仕事が必要で、専門的知識だけでなく、幅広い知識、知見、判断力が求められました。もちろんそれは、すぐにできるものではありませんし、ひとりでできることでもありません。それぞれの成功体験や、幾多の失敗があったからこそ、banexは製品化が出来たのです。
banexは、優れた機能はもちろん、製品の軽量化が図れ、燃やしても有毒物質が出ない等々、環境に優れた素材です。banexの優れた性質を活かし、椅子以外の新たな用途への展開が可能となるよう、開発を進めていきます。